コミュニケーションの成功に向けた執拗な努力


子どもが生まれてからというもの、圧倒的に自由時間がなくなった。仕事と家庭を両立しようとすれば、時間がなくなるのは健全。その分どれだけ時間をうまく使うかに非常に関心がいくようになった。
それからというもの、スーパーワーキングマザーの勝間さんをベンチマークにしてみている(相当高いが)。彼女の著作「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」を読んでから、フォトリーディングマインドマップに挑戦して、それなりに効果が見られた。

例によって、勝間さんが最近出した本を読んでみると、自分がどれくらいできているのか、なにをしていないのか、確認できた。


著作から僕が理解したことを要約すると、次の三点。


■インプットよりも、アウトプットが大事
勝間さんの言っていることは、これがすべての基本のように思う。実践が評価につながり、自分に帰ってくる。もしくは失敗は成功のもと。知識の蓄積よりも、行動の蓄積が、能力の向上につながるんだと。

■日常的な実践度を高める
とにかく、日常を通じた行動、思考の隅々で、自分のスキルを使っていく。勝間さんはそれを執拗なまでに具体化している。日常生活の中で常にMECEかどうか考えるとか、数字で説明してみるとか、人に伝える瞬間はすべてプレゼン練習なんだとか。

■自分ベースよりも相手ベースで
7つの力のうち、特に視覚化力、数字力、言語力、知的体力のところで言っている。自己開発が目的ではなく、コミュニケーションの成功が目的。それが仕事の質の向上、時給アップにつながるんだと。ゼロの時点ではとにかく相手を信頼するところからはじめよ、とも。


この新作を読んで、一番ピンと来たメッセージは、「自己開発」は手段であり、「コミュニケーションの成功」が目的だということ。どうも勝間さんは、「手段」の部分が極めて徹底的なので、自己開発を中心メッセージとして受けとめてしまいそうになるが。コミュニケーションの部分が腑に落ちると、自己開発=うさんくさい or軽率から抜け出して、本当に実りある「実践」に歩を進めだせる気がする。「目次読めば充分」と思っている人は、たぶんサイボーグの印象でとまるのでしょう。


あとは、7つの力を自分に照らしてみて、思ったこと。

■論理思考力、視覚化力は、わりと取り組んでいるつもり。
■しかし、そこまで日常的に徹底するところまではいけてないな、という感じ。
MECEはマスターするのに早くて半年、遅くて3年とのこと。もっとがんばります。
■2×2マトリックスで考えろ、というのは、非常にわかりやすい入り口。
■「空・雨・傘」もやっと意味がわかった。
■水平思考力は、新しかった。自分の弱い広げるところ。意識してみます。
■数字力、言語力は、日々研鑽。
■知的体力、偶然力は、実は自然に実践できてるかも。


著者が実践してきたエッセンスが詰まりに詰まっているので、多分、やれば誰でもできる。それだけに読んだ個々人に突きつけられるものも多い。自分の怠惰さとか、なにかとやり過ごそうとしている思考回路とか。そういう意味で、認めたくない自分を認められるかどうかが、この著作をいかせる鍵になると思う。