TBSラジオ「Life」を聞いて


 前から論座で取り上げられたり、論壇の人が紹介したりして、気になってはいたラジオ番組「Life」。新進気鋭の社会学者、チャーリーこと鈴木謙介がパーソナリティ(同じく福岡出身で福岡大学でバンドやってたとのこと。なんだか親近感を感じる)。ギャラクシー賞のラジオ部門で大賞をとられたということで、ミーハー心からpodcastで聞いてみた。


 チャーリー本人がこれを「30代しゃべり場」といっているが、まあそうなんだけど、率直で熱い思いが伝わってくる。言葉に触れることの重み。


 秋葉事件の特集と、外山恒一松本哉の「運動」の回を聞いてみた。

 秋葉事件の特集では、いろんな意見を聞いていくうちに、過剰な物語が沈静化されてくるというか、そんなに騒ぎ立てたり、過剰に引き受けたりしなくてもよいんだな、という冷静な気分になった。言葉を交わすことがまさにセラピー的に作用する。最後に「言葉に対する信頼感」という話が出ていて、そうだなと思った。

 「運動」は、運動=市民運動、という図式に対して、話を聞いていくうちに認識が変わってくる。運動とは、リアル世界を変えようと仲間とともに行動すること。その方法はさまざまあること。シュプレヒコールは、すでに体制側に認識されているから、もっと新しい、熱が伝播するような新しいやり方を見つけるべきだ、ということ。
 ゲストの2人はすごく伝播力が強いなと思った。
 松本さんの話を聞いて、そういや楽しい方向に向くっていう優先順位をすっかり忘れてたな、とか。
 外山さんは、もっと怖い人かと思ったが、意外と冷静でまじめだった。前衛芸術家。主張はともかく、姿勢はすごく共感できるし、面白い生き方だと思った。ただ、九州ファシスト党を結成するらしいので、決して人事ではない。


 久々にラジオを聞いてみると、話す言葉って、想像以上に気持ちが伝わってくるものだな、と。編集されてない生放送=インプロビゼーションがもたらす高揚みたいのもあるだろう。一方で、対面のコミュニケーションでは、ひとつのラインの話しかできないんだな、とも感じた。その点は、本を読むほうがよほど情報量が大きい。それだけに、1回1回の対話でなにを伝えていくのか、とても大事。